呼吸の意味について考えてみましょう。 ボク達は食事を取ることでそれを身体の中でその一部をブドウ糖に変えます。そしてこのブドウ糖と酸素を原料としてエネルギーを作るのです。エネルギーは心臓を動かしたり、脳を働かせたり、運動したりするのに使います。だから、酸素はとても大事なんです。

そうならば、人間はどのように酸素を体内に取り込んでいるか勉強しましょう。
空気中の酸素は約21%です。残りはほとんど窒素です。

ボク達が吸い込んだ酸素は気管→気管支(何度も枝分かれ)→肺胞に到達します。肺胞という場所は血管の方から、炭酸ガス=CO2を取り込んでいます。そして酸素=O2は血管の方にしみこんでゆきます。

この動きは濃度勾配があるので拡散という力で動きます。ガスは濃度のうすいところに流れようという性格があります。風がなくても濃度のうすいところに流れるのです。だから、部屋の中でおならしてたとえそのまま動かなかったら、臭いはその人の下着の中にとどまっているかと言えばそんなことないのは皆さん経験あるはずです。m(_ _)m
少したとえが悪すぎました。ガスは均等に混ざろうとする性質があります。

話がそれましたが。酸素が血液の中にしみこみました。(図5の緑色の矢印)この血液は赤い色になり動脈血と言われ、酸素がたくさん含まれています。そしてその酸素をたっぷり含んだ血液がたとえば脳に行き酸素を放出します。これも拡散で行われます。そして酸素はその場所でエネルギーを作る原料となります。そして脳は働くことができるのです。
身体で一番酸素を消費するのは脳なんです。次に心臓や肝臓などがあります。もちろん手足の筋肉も走っているときなど酸素をたくさん消費します。

大きな意味で呼吸とは肺で行われているガス交換だけでなく各臓器の細胞と毛細血管の間で行われているガス交換も呼吸と言っています。だからボク達が息を吸ったりはいたりすることは換気と言っています。これから先でも一応呼吸と換気は区別します。

だいたい1回の換気で500mlぐらいの空気が出入りします。そして1分間に15回ぐらい換気をしています。(安静時です)とすると1分間に500×15=7500mlの空気が出入りします。
しかし、1分間の空気の出入りは「ml」という単位ではなく「l」という単位を使います。そしてこれを「分時換気量」と言います。難しい言葉は使わない約束でしたが、1分間で肺に入った空気の量のことですから、頭の中で「1分間の換気量」と言い換えて読んでください。だからこの場合、分時換気量は7.5lになります。

そして呼吸や換気がうまくいているかどうか調べる方法に大きく2つあります。
1)その一つは肺機能検査と言って肺活量や1秒量(後で説明します)などを調べる。
2)動脈の採血をしてその中の酸素の量をはかります。(正確には酸素分圧)

次のページは少し難しいことも書いてあります。飛ばしてもらってもそれ以降のページを読むのに差し障りはないと思います。

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